うつ病治療に学ぶ,「自分てダメだなぁ」という感覚への対処法
自分は内科医なのですが,うつ病治療なども外来でやることがあり(難しい症例はもちろん専門医を紹介します),
うまくいくこと・いかないことがあって かねがね勉強したいと思っていました.
「薬物治療」はもちろんのこと,いわゆる「精神療法」がうつ病治療には必要で,
勉強していく中で,普段の生活にも活かせることがありそうだったので共有します.
日々のストレスに対する対処法として,少しでも役に立てば幸いです.
↓今回読んだ本はコレ
- 認知行動療法とは
まずは認知と行動の意味です.
感じ方や物事の捉え方は人それぞれ千差万別.
つまり,千差万別の「自動思考」があるということ.
我々は,認知と行動を繰り返して生きています.
この自動思考がポジティブなひとは「楽天的な人」であり,
ネガティブでもある程度コントロールのつく状態であれば,「マイナス思考の人」でしょう.
多かれ少なかれ,自動思考がネガティブにならざるを得ない状況は多くあります.それ自体は何も問題ではありません.
この自動思考がネガティブで,かつ精神的/身体的にコントロールがつかなくなる状態が「うつ病」と言えると思います.
この,自動思考=無意識的な思考を通して絶えず行われている認知-行動に焦点をあてて,よりよい精神状態にしていくのが,「認知行動療法」です. - 具体的にどうすればいいの?
①まずは自分の行動パターンを分析する.
すべての行動がTRACの経路をたどる人はいないと思いますので,あくまでどちらの傾向にあるか,ということです.
TRAPの思考回路はどういうことかというと,,,↓
やなこと=Trigger(引き金)があって,
やな気分になる=Response(反応)
やる気がでないから,何もしない/無為に過ごす=AvoidancePattern(回避行動)
すると,「なんとなく自分がダメな感じ」がしてくる=Response(反応)
自分もこのパターンにハマることあります.
なんとなくグダグダ過ごして,「あー結局なんもしてないや,はぁー」みたいに.
②代替コーピング (=気分の改善につながるような行動) を実行する.
代替コーピング (=気分の改善につながるような行動) を選択する上で,重要なのは,かならずしも活動的である必要はないことです.なんでもいいから,何かやってみる.
その「何かやってみる」こと自体が心の充実感に繋がります.
そうすることで,TRACの思考回路に進む頻度を増やし,気分の改善に至ります. - まとめ
・精神療法の本を読んで,ブログに書いてみた.(けっこういい勉強になった)
・長くて誰も読まないだろう.(仕方ない)
・回避行動を勝手に取ってしまう自分を,
たまには意識して,
代替コーピング=リフレッシュできる行動 に足を向けてみよう.
・今回の内容は,認知行動療法の手法の一つ「行動活性化」というスキル.
・そのほかにも,
ネガティブな自動思考自体を改善させる「認知再構成法」や,
起きてしまった問題をうまく解決する「問題解決技法」のスキルがある.
(これはこれで面白かったけど,今回は割愛)
・「内から外」だけでなく,「外から内」というストレス対処法を身に着ける.
以上です.
ごくごく当たり前のことが,うつ病治療では行われているのですね.